はじめに
ヤングケアラーとは、“大人の代わりに家事や家族のお世話（ケア）をしている子ども“のことです。
ヤングケアラーがしているケアは、下の図のようにたくさんあります。
今回は、そのうちの1つである「目を離せない家族の見守り・声かけなどの気づかい」について、詳しく説明していきます！
こども家庭庁ホームページより（https://www.cfa.go.jp/policies/young-carer）（参照 2024-12-4）
「目が離せない家族」ってどんな人？
「目が離せない家族」とは、そのままにしておくと危ないことが起きてしまう可能性がある家族のことです。
たとえば
- 認知症（例：物忘れがよくある）のおばあちゃん・おじいちゃんが家を出て迷子になってしまう
- 心の状態が不安定（例：イライラしやすい・急に悲しそうにする）な家族が自分のことを傷つけてしまう
- 病気や障がいのある家族の体調が急に悪くなってしまう
こんな時は、だれかがそばにいて助ける必要があります。
「見守る」ってどういうこと？
ヤングケアラーがする「見守り」には、いろいろな種類があります。
例を見てみましょう。
①家族の心や身体を気にかける見守り
- 心が不安定な家族の気持ちの変化を気にかける
- 体調の悪い家族が「いたい」「しんどい」などが言えない時、気づいて助ける
②家族の安全を守る見守り
- 家族が転ばないようにそばでみておく
- 家族が料理をしている時に火や包丁の使い方が危なくないかみておく
- 家族が外に出ても迷子にならないように気にかける
③心の支えになる見守り
- 家族が寂しくならないように一緒に過ごす
- 話し相手になって、相談や愚痴をきく
こうしてみると、いろんな「見守り」の形がありますね。
どんな「声かけ」をしているの？
人によりますが、ヤングケアラーはこのような声かけをすることが多いかもしれません。
- 体調を心配する声かけ
「今日は体調どう？」「ねむれた？」「はやく元気になってね」
- サポートする声かけ
「なにか手伝おうか？」「ほかに必要なものある？」
- 安心させるための声かけ
「大丈夫だよ」「そばにいるよ」「無理しないでね」
- 確認する声かけ
「この時間に病院いくからね」「ごはんの用意できたよ」「薬ちゃんと飲んだ？」
「見守り」や「声かけ」をがんばりすぎるとどうなるの？
「目が離せない家族の見守り・声かけ」をしていることは、決して悪いことではありませんが、がんばりすぎると心や身体がしんどくなることもあります。
- 学校生活への影響
見守りがあると、遅刻や欠席が増えたり、勉強・友達と遊ぶ時間がしっかりとれなくなることがあります。 - 心や身体のしんどさや疲れ
「自分が見ていないと家族になにか起きるかもしれない」という大きなプレッシャーやケアによって、心や身体がしんどくなってしまう
しんどいなと思ったら
家族を見守ることは決して悪いことではありません。
「家族を助けたい」「よくなってほしい」という思いは、大切な思いです。
でも、そんな生活の中で1人でがんばりすぎていませんか？
心や身体がしんどくなっていませんか？
もしかすると「自分しか家族をみる人はいない」「しんどくてもがんばるしかない」という状況の人もいるかもしれません。
それでも、話をきいてあなたのことを一緒に考えてくれる大人がきっといるはずです。
少しでも「しんどいな」と感じたら、周りの信頼できる大人に一度相談してみましょう。
住んでいるところの相談先は下のリンクから調べることができます。
終わりに
私たち「Empathy4u（エンパシーフォーユー）」という会社は、ヤングケアラーの人たちを支える活動をしています。
会社の公式アカウントX（＠EmpathyMedia4u）では、会社の活動の様子やヤングケアラーの人たち向けの情報をつぶやいているので、いつでものぞきにきてくださいね。
