はじめに
みなさんは「ヤングケアラー」という言葉を聞いたことがありますか?
もしかしたら、学校でヤングケアラーのポスターを見たり、パンフレットをもらったりしたことがあるかもしれません。
この記事では、「私ってヤングケアラーなのかな?」と思っている人や「いや、そこまで大したことはしてないし…」「そんなにしんどくないし、当てはまらないかも‥」と感じている人向けに、ヤングケアラーについてわかりやすく説明していきます!
ヤングケアラーとは?
ヤングケアラーとは”家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者”のことです。
これを簡単にいうと、“家族のお世話をがんばりすぎて、身体や心がしんどくなったり、勉強する時間や友達と遊ぶ時間がしっかりとれていない状態”ということです。
たとえば
- 家族のお世話やお手伝いをしすぎて疲れてしまう
- 学校に遅れてしまったり、自分の自由時間がしっかりとれていない
といった状態が続いていると、ヤングケアラーにあてはまるかもしれません。
どんな「ケア(お世話)」をしているの?
ヤングケアラーがする「ケア」は、いろんな種類があります。
こども家庭庁ホームページより(https://www.cfa.go.jp/policies/young-carer)(参照 2024-12-4)
上の図でいうと
- 家事(洗濯やそうじ、ご飯の準備など)
- 小さいきょうだいや病気の家族のお世話
- 家族の通訳(外国語を話す家族を助ける)
- 家のお金を支えるために働く
- 家族のために通訳をしている
- 家族にトラブルがあった時の対応(お酒やギャンブルの問題など)
などがあります。
もちろん、人によっては「保育園まで小さいきょうだいをむかえにいっている」「家族の話し相手になって元気づけている」など、これらの例にあてはまらないこともあります。
ヤングケアラーはだれをケアしているの?
ヤングケアラーがケアをしている家族は、おじいちゃん・おばあちゃん・お父さん・お母さん・きょうだい・親せきなどがいます。
家族にケアが必要な理由も、人によっていろんな理由があります。たとえば
- 年をとって体力や覚える力が落ちてしまっている(例:足が不自由・すぐに忘れてしまう)
- 心の状態が不安定(例:イライラしやすい・急に悲しそうにしている)
- 生活に必要な力が落ちてしまっている(例:考えたり覚えたりすることが苦手・話すことがむずかしい)
などです。同じヤングケアラーでもいろんな人がいることがわかりますね。
ヤングケアラーはどのくらいいるの?
国の調査(令和2・3年)によると小学6年生の15人に1人、中学2年生の17人に1人、高校2年生の24人に1人、大学3年生の16人に1人の割合でヤングケアラーがいると言われています。
学校のクラスで考えると、クラスに1人はいることになりますね。
友達に家族のことを話すのは勇気がいりますが、話してみたら意外とすぐ近くに仲間がいるかもしれません。
ケアをがんばりすぎるとどうなるの?
ヤングケアラーの人たちは
- 自分の時間がとれない
- 勉強や宿題ができない
- 友達と遊ぶ時間が減る
- もちものをよく忘れてしまう
- 提出物が遅れてしまう
- 欠席・遅刻をしてしまう
- 身体や心の調子が悪い
などの悩みをもちやすいと言われています。
ケアをすることは決して悪いことではありません。家族のためにがんばる気持ちはとても大切な気持ちです。
でも、ケアをする中でこうした悩みが出てきたら、それは自分ががんばりすぎているサインかもしれません。
「もしかして私はヤングケアラー?」と思ったら
ここまでヤングケアラーについて一緒にみてきましたが、どうでしたか?
「やっぱり私はヤングケアラーなのかも」
「家族のお手伝いをしてるけど、すごく疲れているわけじゃないしな…」
「学校にも行けてて、友達とも遊べてるから大丈夫なのかな…」
いろんなことを思ったかもしれません。
でも、ヤングケアラーに当てはまるかどうか、はっきりしなくても大丈夫。
家族のお手伝いやお世話をしていて「なんか辛いな」「心がもやもやするな」「誰かに話を聞いてほしいな」と思ったら、学校の先生や信頼できる大人に一度相談してみましょう。
あなたの話を聞いて、一緒に考えてくれる大人がきっといるはずです。
住んでいるところの相談先を調べたい場合は、下のリンクから検索できます。
終わりに
私たち「Empathy4u(エンパシーフォーユー)」という会社は、ヤングケアラーの人たちを支える活動をしています。
会社の公式アカウントX(@EmpathyMedia4u)では、会社の活動の様子やヤングケアラーの人たち向けの情報をつぶやいているので、いつでものぞきにきてくださいね。