はじめに
ヤングケアラーを知っていますか?
ヤングケアラーとは“大人の代わりに家事や家族のお世話(ケア)をしている子ども“のことです。
ヤングケアラーについてくわしく説明している記事です▼
ヤングケアラーのなかには、「心が不安定な家族」をケアをしている人たちもふくまれています。
今回は「心が不安定な家族」のケアについてくわしくみていきたいと思います。
そもそも「心が不安定」ってどういうこと?
私たちは誰でも、イライラしたり、不安になったり、悲しくなったりして心が不安定になることがあります。でも、生活に問題が起こるほど心が不安定な時は、心の病気にかかっているかもしれません。
心の病気は、少しむずかしくいうと「精神疾患(せいしんしっかん)」と言われます。精神疾患は健康な人でもなることがある病気です。この病気にはにはいろんな種類があります。
- うつ病
心への影響(とても悲しくなったり、イライラしたりするなど)や身体への影響(しんどさ、ねむれないなど)が出る病気です。
- 統合失調症
妄想や幻覚(何もないのに声が聞こたり、見えたりするなど)、やる気がおきない、感情を出すことが少なくなる、などの症状が出る病気です。
- パニック障害
突然、とても大きな不安を感じて、息が苦しくなったり、めまいがしたりすることがくり返しおこる病気です。
このほかにも、いろんな精神疾患がありますが、たとえば同じ「うつ病」だからといって、出る症状は人それぞれです。病気になる原因はわかっていませんが、病気のなりやすさやストレス、環境などいろんな原因が重なって病気になると言われています。
家族のだれをケアしていることが多いの?
精神疾患の家族をケアしている子どもたちは、お母さん、お父さんをサポートしていることが多いです。
2016年、2018年、2020年の調査によると「お母さん」の場合は精神疾患「お父さん」の場合は依存症(あることをやめたくても、やめられなくなる病気)が多いことがわかっています。
精神疾患の家族をケアしている人はどのくらいいるの?
実は、精神疾患の家族をケアしている人がどれくらいいるのかは、まだはっきりわかっていません。
ただ、障がいをもっている人たちを調べた国の調査(令和6年)では、精神疾患をもっている人の数はおよそ600万人いるといわれています。この数は年々増えているので、精神疾患の家族をケアしている人の数もだんだんと増えていると考えられます。
ほかのヤングケアラーとは違うところ
精神疾患の家族をケアしている人たちは、ほかのヤングケアラーとは少し違うところがあります。
それは、家族へのケアの内容です。
いったい、どんなケアをすることが多いのでしょうか。先輩の声を集めました。
- 家族のかわりに家事(洗濯・掃除・料理など)をしていた
- ちいさい兄弟・姉妹のお世話や学校のやりとりをしていた
- 家族が薬を飲むのを助けたり、病院に一緒にいったりしていた
- 元気づけたり、きげんをとったりしていた
- 勝手に外に出て行ってしまい、家に戻るまでつきそっていた
- 家族から暴力や暴言があって我慢したり、やりすごしたりしていた
- 家族が自分のことを傷つけたりした時は手当てをしていた。救急車を呼ぶこともあった。
これら以外にも「警察を呼んだことがあった」「突然、大きな声で歌う家族が恥ずかしかった。ほかの人のふりをしていたけどそばにいた」など、家族を支えている方法を一言でうまく表現することがむずかしい場合があります。
実際の体験談はこちらから▼
家族のこと支えなきゃ‥でもしんどい。そんな時はどうしたらいいの?
- 自分の居場所を見つけてみる・増やしてみる
学校や部活、友達と過ごす時間、自分の部屋、自習室、図書館、カフェ…自分が避難できる場所や安心できる場所を増やしてみるのもいいかもしれません。
- 似た境遇にいる人と話してみる 【CoCoTELI】
同じ経験のある人たちや先輩と話したり、必要な時は専門家の人とお話することができます。先輩の体験談や役立つ情報もみることができます。
- いろいろと調べてみる【ぷるすあるは】
病気の知識や、自分の心を守る方法、相談のしかたなどいろんな情報をみることができます。
- 周りの大人に話してみる
勇気がいりますが、学校の先生、保健室の先生、頼れそうな家族に話してみるのも1つの方法です。どうしたら気持ちが軽くなるかを一緒に考えてくれる大人がきっといるはずです。
終わりに
私たち「Empathy4u(エンパシーフォーユー)」という会社は、ヤングケアラーの人たちを支える活動をしています。
会社の公式アカウントX(@EmpathyMedia4u)では、会社の活動の様子やヤングケアラーの人たち向けの情報をつぶやいているので、いつでものぞきにきてくださいね。